BOOK・OFFの値札シールを剥がさないやつは何をやっても駄目
本を買っても作者にはびた一文入らないでお馴染みのBOOK・OFF。
古めの文庫本なんかは100円で買えてしまうわけで、貧乏暗黒大学生のぼくなんかは(申し訳ないとは思いつつ)よくBOOK・OFFで本を買います。
さて。
BOOK・OFFで本を買ったことがある人なら絶対知ってるであろうこのシール
そう、値札。
単刀直入に言います。
買ったら剥がせよ!!!
世の中には二種類の人間がいます。
読んでる文庫本の背表紙に何かの因縁みたいにBOOK・OFFの値札シールがこびりついてる人間と、そうでない人間。
いくら顔が可愛くて気立てがよくて、飲み会でサラダを取り分けてくれるし唐揚げにレモンかける前に一言かけてくれる、私服は男ウケするちょいエロかわな女の子だったとしても。読んでる文庫本の背表紙にBOOK・OFFのシールが付いてたら台無しでしょ!!!!!!
アイスクリームに醤油かけるようなもんだよ、ほんとに。
・BOOK・OFFの値札シールを剥がさないやつは大抵メガネをかけていて、しわしわのジーンズにサイズの合ってないチェックシャツを着ている
・BOOK・OFFの値札シールを剥がさないやつはデブ
・BOOK・OFFの値札シールを剥がさないやつは就職浪人している
・BOOK・OFFの値札シールを剥がさないやつは近づくと鳩が逃げる
・BOOK・OFFの値札シールを剥がさないやつは…
ぼくの父親はBOOK・OFFの値札シール剥がし職人だった。毎日毎日、朝九時から夕方五時まで、BOOK・OFFの値札シールを剥がした。一度の病気も無く、死ぬまで値札シールを剥がした。
そんな父の遺言は「BOOK・OFFの値札シールを剥がせ」だった。
まるでBOOK・OFFの悪魔に取りつかれたかのような人生だとぼくは思った。
そして実際にそうだった。あるいはBOOK・OFFの古本には実は悪魔が封印されていて、値札シールがその「封」だったのかもしれない。だが今となってはそれもわからない。
1つだけ言えるのは、ぼくも父と同じようにBOOK・OFFの値札シール剥がし職人となり、これを書いている今もせっせとBOOK・OFFの値札シールを剥がしているということだけだ。
文化的な悪魔。